♪第九報告。
すいません。暗譜できませんでした(いや、楽譜は持って歌うんだったですけどね)。
全部カタカナ読みました(←邪道)。
よい講師陣にも恵まれ、ミュージカルとはまた違った感動で、とても楽しかったです。
この日のために、母が縫ってくれた黒のロングスカートで臨みました。
ノバホールの楽屋から舞台袖への通路は、今まで出演してきた人たちのサインがびっしりと壁や天井を埋め尽くし、圧巻でした。
プロっぽい流暢なサインもあれば、中学のオーケストラ部のものもあり、舞台にかける人々の、むせ返るような情熱に満ちていました。
前から2列目、センター寄り、ソリストのすぐ斜め後ろという好ポジション。
指揮者もオケもソリストも合唱団も、全部よく見え、最高でした。
指揮者の手の上で、オケが、ソロが、合唱が、くるくると踊りだすのはまるで魔法を見るようで、思わず指揮に見とれて、前日リハでは、何度も自分の歌い出しを忘れてしまいました。
(はい、すいません。ゲネと本番はちゃんとやりました)
訳詩を音読してみたりはしたけれど、よく判らない。
「神を讃える」ことと「歓喜」は判りましたが、「何もって讃え、何に喜んでいるのか」が、いまいちぴんと来ない。
ので、勝手に決める。
今年の第九、私的にテーマは、「生きる喜び」。これを歌う。
実はこれは、ミュージカルの時も、私的にテーマでした。
本番1週間前。
ソリストを迎えての練習の時、不思議な感覚に襲われた。
有名な「フロイデシェーネルゲッテルフンケン…(歓喜よ、美しい神々の火花の輝きよ)」の部分で、舞い上げられた歌声が、降って、胸に直撃するような衝撃を感じた。
「ああ、嬉しい、私、生きている!」と思った。
びっくりした。
クラシックやベートーベンが特に好きなわけでもない上、暗譜もろくすっぽできていないこの私が、そんな感動の仕方をするとは、正直信じられなかった。
まさにそれは私のテーマ、「生きる喜び」。
そして直後に、なぜか、悲しみが走った。
なぜ…と思いながら歌い続けた。
生きる喜びは、悲しみを経て、更なる歓喜へ昇華する、ということなのか?
私がそんな大仰な感動を受けるのは、変じゃないか?
そう思いながらも、私は、胸の前で喜びと悲しみがゆらゆらと揺れ動くのを見ていた。
(この感覚は、舞台の中でも、ある場面で味わったなぁ。その光景が鮮烈にフラッシュバックして、一瞬自分が今どこにいるのか、判らなくなった)
今まで何となく好きになれなくて、歌うチャンスはあったけど、食わず嫌いをしてきました。
「第九は1度歌うと病み付きになる」とよく言うけれど、そーかなぁと思っていました。
…まんまと、罠にはまった感じです。来年もやってしまいそう…。
誘ってくれた母に感謝。
06年年末は、ミュージカルと第九のセットで(セットだったからこそ、なお)、とてもいい体験でした。
きっと、一生忘れません。
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